前会長挨拶
前会長挨拶

2020年4月1日から2年間、群馬大学の久新荘一郎前会長の後任として、ケイ素化学協会の会長を務めることになりました。 本会は、世界初のケイ素化学協会として1996年に設立されて以降、日本におけるケイ素化学の発展に大きく貢献してきました。 この間、日本のケイ素化学は、多くの基礎的で重要な新しい知見や革新的なケイ素材料の創出に関する成果を発信し世界をリードしてきました。 一方、アジアでは、ASiS(Asian Silicon Symposium)がアジア各地で7回にわたって開催され、また2017年のISOS(International Symposium on Silicon Chemistry)が中国で開かれるなど、ケイ素化学の地域的な広がりが分かります。このような中で、日本を代表するケイ素化学協会の 役割は、各国との連携の上でもますます重要になってくると思われます。
また、ケイ素化学は、一般的なものとして多くの研究者に利用されるようになってきました。 ケイ素を含む材料も決して特殊なものではないように思われます。2019年は国際元素周期表年でしたが、ほかの元素化学との協働や 差別化のうえでも、ケイ素の化学を基礎から応用まで幅広くカバーする本協会が、今後もインパクトのある情報を出していくことが求められます。 学協会の最も重要な役割は、人と人、研究と研究、研究と技術を結びつける場を提供することですが、ケイ素化学協会でも毎年シンポジウム を開催するなど、会員相互の交流を促進してきました。近年は、シリコーン工業会との連携を含めて、産学の交流に力を入れています。 2020年は、静岡大学の坂本健吉先生のお世話で第24回ケイ素化学協会シンポジウムの開催が決まっており、産学交流のセッションも企画 しています。ぜひ、この機会に協会への入会・シンポジウムへの参加をご検討ください。
ケイ素化学協会も発足から四半世紀が経過し、時代の変化によって柔軟な対応が求められるかとも思います。 皆様方のご意見をうかがいながら、さらに協会の発展を図っていきたいと考えておりますので、ご協力のほどをお願いいたします。
【会長任期を終えて】 2022年3月をもって2年間の任期を終え、永島新会長に引き継ぎました。協会役員をはじめ、会員の皆様には、2年間ご協力ご支援いただきましたことに心より御礼申し上げます。 振り返ってみると、新型コロナウイルス感染対策の中で、うごめいた2年間でした。2回のシンポジウムはオンライン開催になり、都度準備していただいた坂本先生には、大変申し訳ないことになりました。 協会として、会員の皆さんへの情報収集と交流の場の提供が従来通りにはできない状況でしたが、シンポジウムの際のオンライン懇親会、月々のオンライン講演会やWebによる会員の交流広場などで、 ある程度補完できたと感じていただけたのであれば幸いです。この期間に、東北大学の岩本先生はじめ、多くの方に協力いただいて、ISOS20の招致ができたことは、大変うれしいことでした。 これから、開催に向けて、ケイ素化学協会にはさらなるご支援をいただきたく存じます。今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。
広島大学 大下 浄治
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